絵本作り

子どもたちは幼稚園の中で、興味を持ったことを絵で表現することがあります。
自分の興味に基づいた絵画は、活き活きとしています。

活動の中で保育者の提案を受けて、絵を描くことも技術を知っていくという意味では大切な経験かもしれませんが、それ以上に子どもが自ら描きたくなった表現をたっぷりに認めていきたいなと思います。

日本人は、人を認めるときの、言葉のレパートリ―が少ないと言われています。
「すごい!」「じょうず!」「きれい!」
もちろん、上記の言葉も言われたらうれしい言葉であることに変わりはありません。
しかし、この言葉はどんな人に対しても使える「便利な言葉」にもなってしまいがちです。
”その人にしかない、具体的な部分を、自分なりに見出して言葉にする”ことを習慣的に行うことで、子ども達の自尊感情を育てるとともに、大人同士も良いコミュニケーションのきっかけとして、”人を認める言葉”を丁寧に紡いでいきたいなと思っています。

さて、話が脱線してしまいましたが、今日は、年長組のS君が自分で作った絵本を見せてくれました。

↑文字は保育者が代筆します。
幼児期は、文字が書けることよりも、遊びや生活の中で自然と触れ、文字で表現したいことに出会い、興味を深めることが大切だと考えています。

壊れてしまい、処分寸前の図鑑を丁寧に1枚1枚切り離し、その中でほしいページを自分で選んで画用紙に張り付け、背景を描いていったようです。イモムシの生活している場所に思いを馳せ、描いていったと思うと、日常の中でも、生き物の生態をよく観察しているのだなと感心してしまいました。
これから、続きが描かれていくのか、ここで終わるのか、それは、だれかから強制される事でもないので自由なことです。それでも、”このイモムシがどのような冒険をするのだろう”と読者の一人として楽しみになったのでした。